企業がVDRを活用する方法とそのメリットとは

IT技術を活用したビジネスモデルの普及とともに、企業でハンドリングするドキュメントのデジタル化が急速に進行しており、デューデリジェンスも例外ではありません。

今まで企業の会議室で行われていたデューデリジェンスは、関連する書類のデジタル化とともにオンラインによるプロセスが普及、ドキュメントを安全に格納し管理する場所として、今、VDRが注目されています。

企業における幅広いVDRの運用

取引関係者(ディールメーカー)は、ドキュメントがデジタル化されることで、居場所を問わず必要な時にオンラインでアクセスできる手軽さを手に入れましたが、一方で、許可されていない取引担当者に対しては、機密性の高いデータにアクセスし、データを操作したり外部で使用するためにデータをコピーしたり持ち出さないような対策が不可欠になりました。

VDRは、一人ひとりに特定レベルのアクセス権を付与し厳格なセキュリティコントロールを可能にするだけではなく、各ユーザーのアクションを監視する強力なトラッキング機能を備えています。

必要なドキュメントを収集し、デューデリジェンスを実行、レポートを生成するための安全な場所が必要となるIPOやM&A。その他、知財管理や薬事申請前の臨床試験データの管理等、情報漏洩が企業活動に重大なダメージを与えるような機密文書の取り扱いで、VDRは不可欠です。

万全のセキュリティ機能でデューデリジェンスに最上級の信頼性をプラス

実際に機密性が重視されるM&Aは、扱うデータも非常にデリケートであり、安全性とセキュリティはデジタルドキュメントを格納するうえで最優先事項。

優れたVDRは、最新のセキュリティが実装され、AT 101 SOC 2規格への厳密な準拠を保証しています。第三者評価による定期的な侵入テストの実施、256ビット AES SSL 暗号化対応、自動ウィルススキャンといった高度なセキュリティ機能は、安全にディールメイキングを推進するうえで欠かせません。

一方、VDRには、可用性の観点からクラウドとオフサイトにバックアップを保持するなど、万が一、データを消失した場合でも迅速に復元できる機能が求められ、企業のスピーディーな取引をサポートします。

リモートでドキュメントをシェアしながら進行する社内業務や企業間取引では、トップレベルのセキュリティーが情報漏洩対策となります。

カスタマイズ可能なアクセス制御と利便性がディールメイキングを最適化

M&Aではコーポレートの役員、財務チーム、アナリストやコンプライアンスマネージャー、投資家など関係者も多彩。プロジェクトの規模により大規模なチームを編成になることがありますが、チーム全員が全てのデータへのアクセスや機能が必要とは限りません。

優れたVDRは、ユーザーのドキュメントへのアクセス権を設定するアクセス制御機能が導入されており、各ステークホルダーの権限を定めることで、情報開示を最小限に抑えることが可能になります。

さらに、アクセス制御機能は、誰が、いつ、どのファイルにアクセスし、何をしたかということを詳細にトラッキング。複製が容易なデジタル文書では、アクセシビリティー管理を厳格に実施することで、情報漏洩への抑制効果をもたらします。

アクセシビリティーが求められる一方で、ステークホルダーが多岐にわたることから、ソフト、ハードの両面で使い勝手の良いVDRであることが重要です。優れたVDRは、ディールメイキングプロセスにおいて貴重な時間を無駄にしないように、ドキュメントの解読時に誰もが使いやすく、強力なサポート機能を備え必要な時にサポートが受けられるツールでなければなりません。サポート契約は、いつ想定外の事態が起きても対応できるように、24時間365日対応であることを確認しなければなりません。

AI機能が実装されたVDRがスピーディーなディールメイキングを実現

いまVDRで最も期待されている機能が人工知能(AI)です。

M&AやIPOにおける企業評価や査定なだけではなく、バイオ関連会社で取り扱う臨床データ、石油ガス掘削プラントの設計開発、橋梁や港湾など公共事業入札で作成する提案書といった膨大な情報を手際よく過誤なくハンドリングしなければなりません。

従来のように人の手で書類を目で追いながらチェックすることは可能ですが、膨大な量のドキュメントを一気に読み込むAIに任せることで、ファイルの重複や欠落といったエラーを短時間で抽出、全文検索では、特定のフレーズがどのドキュメントに記載されているかを容易に発見することができます。

迅速なディールメイキングは、ファイルのレビューが省力化され、時短が実現するAI実装のVDRによって可能となります。

目まぐるしく変化する現代、企業は、スピーディーなディールメイキングプロセスが求められます。 優れたVDRは、強固なセキュリティ機能を有しスピーディーな成約を実現、コーポレートの成長戦略の要、IPOやM&Aにも対応し、新たな事業構築を支援する優れたソリューションです。