リーガルテックを組織に導入するための実践に役立つ4つのヒント

DFINカンパニーeBreviaのAPACリーガルカウンセル兼プロジェクトマネージャのStephanie Siuが語る、リーガルテックへの道のりとは?

リーガルテックは、ここ数年、法律事務所や企業の法務部門で大きな注目を集めています。データやドキュメントの分析、ドキュメントの自動化、プロジェクトやワークフローの管理など、法務業界におけるテクノロジーの採用が進んでいることは、関連ツールの多くが実用性を備えており、法務担当者の仕事のやり方を変革し始めているという事実を反映しています。

先日、eBrevia(DFINカンパニー)のAPACリーガルカウンセル兼プロジェクトマネージャであるStephanie Siuが、The University of Lawとリーガルテックについて対談しました。企業弁護士出身のStephanieは、なぜ法律分野が変革を必要としているのかを説明し、リーガルテックソリューションの効果的な導入方法のヒントについて語りました。この記事は、The Hong Kong Lawyer Magazineの2021年8月号に掲載されました。

ヒントの概要は以下の通りです。

  1. ワークフローのギャップを検証することから始める:よくある誤りは、リーガルテックのニーズをすべて満たすワンストップソリューションがあるという認識です。一般的に言えば、ほとんどのリーガルテックツールは特定の分野に特化しており、特定のユースケースにのみ適しています。まずはワークフローの各ステップを検討することから始めます。例えば、チームが定型フォーマットによるドキュメントの作成に多くの時間を費やしている場合は、ドキュメント自動化ツールを検討することから始めるとよいでしょう。
  2. 社内で迅速に効果を実感してもらい、サポートを得るために小さく始める:組織内でリーガルテックツールの導入を促進するのは困難な戦いですが、迅速に効果を実感してもらうことで社内の機運を高めることができます。まずは小規模でツールを導入することから始めましょう。これは、特定の部門やプロジェクトでのパイロットプログラムという形で実践することができます。パイロットプログラムは、(a) 短期間で結果を出し(例:3〜6ヶ月)、(b) 組織のメンバーが気付く程度に重要であり、(c) 効果的なコミュニケーションとフィードバックを得るために、少人数のチームで実施する必要があります。また、他のステークホルダーに納得してもらうために、最後にROI(投資対効果)分析を行うことも有効です(例:削減されたコストや時間の内訳、関係者からのフィードバック)。
  3. チーム全員を巻き込む:リーガルテックツールの導入を組織に定着させるには、時間と労力がかかります。特に、ほとんどのリーガルテックツールは、その価値を十分に発揮するために、初期のトレーニング段階が必要となるからです。トレーニングを成功させるためには、(a)教育:トレーニングセッションや定期的なフィードバックセッションを開催し、ユースケースを回覧する(ベンダーがこの点について豊富な知識によるサポートを提供できることを確認する)、(b)インセンティブを与える:例えば、トレーニング時間を業務の一部として評価する、(c)権限を与える:例えば、若手メンバーを取組みのリーダーに任命する、といったことが必要です。
  4. 考え方の転換:リーガルテックは、チームを強化するためのツールとして捉えるべきです。コスト削減や効率化に加えて、リーガルテックは共同作業を促進し、チームの士気や人材の維持を向上させることができます。

対談の中でStephanieは、法律事務所に関連する主要なリーガルテックツールの種類をまとめ、法務チームがこのテーマにもっと簡単に取組むための実践的なヒントについても語りました。

Stephanie Siu

APACリーガルカウンセル兼プロジェクトマネージャ、eBrevia

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リーガルテックを組織に導入するための実践に役立つ4つのヒント